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『〈インターネット〉の次に来るもの』「SHARING」インデックス ⑪ 未来像

今回の記事は、『〈インターネット〉の次に来るもの』の第6章「SHARING」のインデックスのうち「未来像」をまとめます。

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VRデスクトップアプリ「Envelop」のイメージ画像。VR空間内でデスクトップ環境を構築できる。こうしたバーチャル・デスクトップアプリが物理的に離れたユーザー同士の共同作業を遂行するツールになる可能性がある。

なお、引用文の末尾の番号はKIndle版の位置番号を意味し、強調部分はブログ作者によるものです。

未来像


仕事のシェア


・近い将来の私の1日はこんな感じになるだろう。私は世界中に散らばるエンジニアと協同組合を作って働くエンジニアだ。われわれのグループは共同所有で、経営は投資家でも株主でもなく、1200人のエンジニアで行なっている(3312)

・車が売れれば売れるほど、少額決済はどんどん増えていく。自分の仕事が口コミで広まるのは大歓迎だし、より多くシェアされるほどいい(3312)

・写真についても同じことが言える。写真をネットに投稿すると、私の認証情報が暗号化されて写真に埋め込まれるのでウェブ上でのトラッキングが可能となり、誰かがその写真を使って投稿すると、マイクロペイメントでほんの微々たるものだが私に支払いが発生する(3312〜3324)

・私は1万もの異なる協同組合から自分が貢献できるものを選ぶことができる(私の世代では会社で働きたいという人は多くない)(3324)

・何年にもわたっていくつものプロジェクトに活発に関わり、複数の自動支払いを受けているような人は、このシェアリングエコノミーの世界で誰もが求める人材なのだ(3337)

VRでのシェアライフ


Facebookが開発中のVRソーシャルアプリ「Social VR」のデモ動画。VRソーシャルアプリは、VR空間をシェアするアプリと考えることができる。

・共同作業をしていない間は、私はぶっ飛んだバーチャル世界で遊んでいる。この世界は全部ユーザーが作ったもので、コントロールしているのもユーザーだ(3337)

・私の家の屋根には太陽電池で動くミニ中継器があって、近くの家の屋上の中継器とコミュニケーションしているので、われわれグレーターワールドの建設者たちは、企業のネットワークから放り出されることを心配する必要がない(3349)

・このゲーム世界の政策や予算は電子投票で一つひとつ決められ、多くの説明や解説、AIなども動員して円滑に進められる(3349)

・いまでは2億5000万人以上の人々が、自国の予算についても同じように投票で決められないかと論議している(3349)

・人々はグレーターワールド内でチームや協同組合を作っては、実世界に応用しようとしている。バーチャル世界の方が、コラボレーション用ツールの進歩が速いことに気づいたのだ(3349)

失敗のシェア


・われわれの失敗を共有することで、もっと早く学べてより良い仕事ができることに気づくようになった(3360)

・ある実験が上手くいかなかったら、科学者はその結果をシェアするよう求められる。私がそれを学んだのは、コラボレーションにおいて、早いうちからシェアしていれば、それだけ学習も成果も速くなることに気づいたからだ(3373)

次回の記事から「SCREENING」のインデックスをまとめます。

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『〈インターネット〉の次に来るもの』「SHARING」インデックス ⑩ アイデア「クラウドファンディング」

今回の記事は、『〈インターネット〉の次に来るもの』の第6章「SHARING」のインデックスのうち「アイデア」、とくに「クラウドファンディング」をまとめます。

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現在までにKickstarterでクラウドファンディングに成功したプロジェクトのカテゴリー別割合。グラフはブログ作者作成
データ参照元URL:
https://www.kickstarter.com/help/stats

なお、引用文の末尾の番号はKIndle版の位置番号を意味し、強調部分はブログ作者によるものです。

アイデア


絆としてのクラウドファンディング


・デジタル時代とは、ちゃんと評価されなかったり忘れ去られたりしていた非ベストセラーの時代だ。シェアテクノロジーのおかげで、最も形になりにくかった興味も見えるようになり、クリック一つでたどり着けるようになった(3170)

個別のニッチの話題を見つけることは、ベストセラーを見つけるのと同じぐらい簡単になったのだ(3170)

・シェアテクノロジーのおかげで、アーティストや作家に喜んで前払いしたいと思う一人ひとりのファンの力を何百人という同好のファンと一緒に(あまり手間もかからず)まとめ上げ、高額の資金を確保できるのだ(3183)

クラウドファンディングによる株式会社


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クラウドファンディング世界市場規模の2015年までの成長図(上のグラフ)とクラウドファンディングの資金使途別の金額(下の棒グラフ)
参照元URL:
http://crowdexpert.com/crowdfunding-industry-statistics/

・しかし、クラウドファンディングが将来果たすであろうはるかに有望な役割は、ファンを基盤にした株式だ。支援者は作品ではなく、会社に投資する。つまり、ファンがその会社の株券を購入できるようにするとアイデアだ(3214)

・一般の誰でもが公開会社のオーナーとして(ある程度の規制のもと)株式を持てるオープンなP2Pの仕組みができれば、ビジネスに革命を起こすだろう(3226)

・株式のクラウドシェアリングについても、保険や第三者預託口座、あるいはテクノロジーによる新しい種類の信用の創造といったイノベーションによって、その危険性を最小限に抑えることは可能だろう(3238)

クラウドファンディングの展開


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2015年における世界の地域別クラウドファンディング市場規模と成長率を表わしたグラフ。市場規模は北米が最も大きいが、成長率はアジアが最も高い。
参照元URL:
http://crowdexpert.com/crowdfunding-industry-statistics/

・イノベーション自体もクラウドソーシングできる(3271)

・ビジネス分野では、最良のソリューションを求めたコンテストが盛んだ。エントリーした集団の中からベストの解決法を提示した人に企業は賞金を出す(3278)

2050年に最も大きく、最速で成長し、一番稼いでいる会社は、いまはまだ目に見えず評価もされていない新しいシェアの形を見つけた会社だろう(3300)

・われわれの歴史のいまこの時点で、それまでシェアされなかったものをシェアしたり、新しいシェアのやり方を考えることは、間違いなくその価値を増すことになるのだ(3312)

次回の記事は、「SHARING」を「未来像」まとめます。

『〈インターネット〉の次に来るもの』「SHARING」インデックス ⑨ アイデア「トップダウンとボトムアップ」(後編) 


今回の記事は、『〈インターネット〉の次に来るもの』の第6章「SHARING」のインデックスのうち、「アイデア」とくに「トップダウンとボトムアップの相克」(後編)をまとめます。

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wikipediaの編集者相互の共同編集を可視化した「Co-editing patterns on Wikipedia」。ノードの大きさが編集した作業量、ノード間のつながりが共同作業関係を意味している。
参照元UTL:
http://wikiproject.oii.ox.ac.uk/networks/index.php

なお、引用文の末尾の番号はKIndle版の位置番号を意味し、強調部分はブログ作者によるものです。

アイデア


フラット型とヒエラルキー型


・(プラットフォームのような)こうしたインフラとしての広場は、できるだけ階層性を排し、参入障壁を最小化し、権利と責任を平等に分配することでその効果を発揮する(3091)

・プラットフォームよりもプロダクトの生産を目的とする組織では、時間軸ごとに構成された強力な指導者や階層が必要になる(3091)

・ネットのおかげで、プロダクトに注力した組織も階層性を完全に廃することなく維持したまま、共同作業が機能するようになった(3104)

・ウィキペディアは正確には平等主義の拠り所というより、ブリタニカ百科事典よりははるかに集産的だと言うべきだろう(3104)
Wikipedia: WikiProject Countering Systemic Bias

主流となったハイブリッド型


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モバイル間でのP2Pペイメント世界市場のの成長予測。P2P通信はシェアリング・エコノミーのインフラとして機能する
参照元URL:
http://www.businessinsider.com/growth-in-peer-to-peer-payment-apps-report-2015-4

編集の手腕や経験は、食物におけるビタミンのようなものだ。大量には要らないし、巨体であっても少しで十分だ。あまりに摂るとそれは毒になるか、そのまま排泄されてしまう(3109)

・今日の最前線を活性化しているのは、制御不能性を大量に摂取しつつトップダウン制御を少量加える無限の組み合わせにある(3109)

小規模のトップダウン方式のスマートさが、大規模なボトムアップのいい加減さを相殺するのだ(3121)

・ボトムアップのハイブマインドは、いつでもわれわれを想像以上に遠くまで連れて行ってくれる(3133)

・十分な時間さえ与えられれば、分散化したつながりが生み出す愚かなものも、考えているよりよっぽどスマートになるのだ(3133)

・完全に分散化した力で最後まで行けるとは限らないが、大抵の場合、それは始めるのに一番良い方法だ。速くて安上がりだし、コントロールも必要ない(3133)

・2015年には9000ものスタートアップが、分散化したP2Pネットワークが持つシェアの力を事業に取り入れた(3145)
Mesh

次回の記事は、「SHARING」のアイデア、とくに「クラウドファンディング」をまとめます。

『〈インターネット〉の次に来るもの』「SHARING」インデックス ⑧ アイデア「トップダウンとボトムアップ」(前編)


今回の記事は、『〈インターネット〉の次に来るもの』の第6章「SHARING」のインデックスのうち、「アイデア」とくに「トップダウンとボトムアップの相克」(前編)をまとめます。

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イノベーション研究で有名なラリー・キーリー。彼の著書の邦訳に『ビジネスモデル・イノベーション』がある

なお、引用文の末尾の番号はKIndle版の位置番号を意味し、強調部分はブログ作者によるものです。

アイデア


管理階層排除の実験


・ソーシャル・テクノロジーと共有アプリが全盛となったいまこそ、繰り返す意義があるだろう──ボトムアップだけでは本当に望むものを手にするには不十分だ(3000)

・もともとボトムアップで育った組織で数年以上続くものはどれも、ボトムアップとある種のトップダウンのハイブリッド型へと移行している(3000)

・その頃(WIRED創刊当時)によく言われたのは、従来の古いモデルをひっくり返して、読者/顧客にやらせてみたら何が起こるか、ということだった。彼らはトフラーの言うプロシューマー、つまり消費者かつ生産者になる(3011)

・イノベーションの専門家ラリー・キーリーが言うように「誰もがみんなと同じほどには頭が良くない」のか、もしくはクレイ・シャーキーが言うように、「ほらここにみんながいる!」のか(3011)
Larry Keeley, "Ten Commandments for Success on the Net"

・フェイスブックやツイッターや他のソーシャルメディアを活気づけているコンテンツはどれも、編集者なしにユーザーが作り上げたものだ(3031)

潜在している仲介者


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wikipediaの編集履歴を可視化した「history flow」。各編集者が編集活動が時系列に沿って色分けして表示されている。

・ユーザー生成コンテンツを扱う会社もその品質を確保しアテンションを維持するために、大海原のような素材に対して編集や選定やキュレーションを少しずつ始めなくてはならなくなるはずだ。純粋に無政府状態な底辺の部分だけでは足りなくなるのだ(3044)

・ユーザー生成型と編集者強化型のハイブリッドはかなり一般的になっている。フェイスブックはすでに知的アルゴリズムを使ってフィルターをかけ、ボトムアップ方式で上がってきたニュースをあなたのフィードに表示している(3065)

・ユーザー生成型コンテンツの模範例として引かれるウィキペディアをよく観察してみても、それは率直に言って純粋なボトムアップというには程遠い(3065)

・(wikipediaの)ベテランの編集者は長く残る編集のやり方を学んでいくからであり、こうしたプロセス自体が、何年もの間に膨大な時間をかけて貢献する少数の編集者を選好するということだ(3065)
Aaron Swartz," Who Writes Wikipedia?"

・ウィキペディアには100万人単位の人々が書き込む一方で、少数の編集者(約1500人)がほとんどの編集に責任を持っている(3075〜3088)

・モジラ[Mozilla]というオープンソースの開発集団を設立から率いてきたミッチ・ケーパーは「実際に機能する無政府状態はどれも、その中に古くからの仲間のネットワークがある」と言う(3088)

次回の記事は、「SHARING」のうち「アイデア」、とくに「トップダウンとボトムアップの相克」(後編)をまとめます。

『〈インターネット〉の次に来るもの』「SHARING」インデックス ⑦ アイデア「デジタル社会主義」(後編)

今回の記事は、『〈インターネット〉の次に来るもの』の第6章「SHARING」のインデックスのうち「アイデア」、とくに「デジタル社会主義」(後編)をまとめます。

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『これからインターネットに起こる『不可避な12の出来事』』p83より引用

なお、引用文の末尾の番号はKIndle版の位置番号を意味し、強調部分はブログ作者によるものです。

アイデア


デジタル社会主義のシェアの4段階(続き)


コラボレーション

・組織的な協働は、その場限りの共同作業よりもっと大きな成果を生み出す(2832)

・プロダクトやサービスを使った仲間の製作者たちは、お金の代わりに信用や地位や評判を得て、楽しみや満足や経験という形で報われるのだ(2861)

・オンラインのコラボレーションを可能にする新しいツールが共同体方式の生産を支えることで、資本主義的な投資家を締め出し、所有権を作り手たち──得てして同時に消費者でもある──のもとに確保する(2861)

集産主義

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「人類の歴史を見るなら、人々が共同できる度合いを上げていくことが文明のレベルを向上させてきている。これこそがシェアの重要な意味だ」(『これからインターネットに起こる『不可避な12の出来事』』p81より引用)

・シェアを可能にするテクノロジーは、以前にはなかったような大規模なコラボレーションや集産主義を可能にしたということだ(2881)

・どこにも明文化されていないが誰もが直感的に理解しているシェアリング・テクノロジーのゴールとは、個人の自律性と集団が生み出す力を同時に最大化することだ(2873)

・(ソーシャルコミュニティーで無賃で貢献する)その対価は、14億人という確かな個人のつながりから生じるコミュニケーションや関係性の価値によって支払われている。その共同体に帰属することが報酬なのだ(2914)

・彼らが無償で働いている動機は(オープンソースの開発者2784人への調査によれば)「学んで新しい技能を身につける」ためだ。(2914〜2928)
Rishab Aiyer Ghosh, Ruediger Glott, Bernhard Krieger, et al.," Free/ Libre and Open Source Software: Survey and Study"

・ある学者は(これと異口同音に)、「無料で働く主な理由は、自分という鈍ったソフトウェアを改善するため」だと言っている(2928〜2930)
Gabriella Coleman, "The Political Agnosticism of Free and Open Source Software and the Inadvertent Politics of Contrast"

・未来の世界はウィキペディアと例えばスウェーデンのような穏健な社会主義のいいとこ取りをしたハイブリッドになる。この流れに対しては懐疑派による深刻な揺り戻しがあるかもしれないが、シェアが増えていくことは不可避だ(2930)

・かつて専門家がわれわれ現代人にはシェア不可能だと考えたもの──お金や健康、性生活、心の奥底の不安など──の長いリストについても、適切なテクノロジーによって正当な恩恵が得られ、正しい条件が整えば、われわれはすべて共有することになるだろう(2930)

・今やわれわれは、コラボレーションを可能にするソーシャル・テクノロジーによって同じ芸当を試みている──増え続ける要望リストや、ときに自由市場では解決できない問題に対してデジタル社会主義を応用し、上手くいくか試しているのだ(2964)

次回の記事は、「SHARING」の「アイデア」、とくに「トップダウンとボトムアップの相克」(前編)をまとめます。

『〈インターネット〉の次に来るもの』「SHARING」インデックス ⑥ アイデア「デジタル社会主義」(前編)

今回の記事は、『〈インターネット〉の次に来るもの』の第6章「SHARING」のインデックスのうち「アイデア」、とくに「デジタル社会主義」(前編)をまとめます。

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デジタル社会主義のインフラとして機能しているAPIエコノミーの概念図
参照元URL:
http://www.slideshare.net/rasmusekman/api-54896752

なお、引用文の末尾の番号はKIndle版の位置番号を意味し、強調部分はブログ作者によるものです。

アイデア


デジタル社会主義とは何か


・誰もが誰もに常時つながろうとするグローバルな熱狂は、テクノロジー版社会主義を改めて静かに生み出しているのだ(2720)

・新しいデジタル社会主義は古い赤旗の社会主義とは違い、国境のないインターネットの上でコミュニケーションのネットワークが広がり、しっかりと統合されたグローバル経済を通して形にならないサービスを生み出している。それは個人の自律性を高め、中央集権化を妨げるように設計されている。つまり極端な分散化だ。(2748-2760)

・われわれは集産農場に集っているのではなく、集産する世界に集っている。国営工場ではなく、デスクトップの工場をバーチャルな協同作業の空間にしている。つるはしとシャベルの代わりに、スクリプトとAPIを共有している(2760)

・実際のところ、こうした新しい社会主義の経済的な側面を、ある未来主義者たちは「共有経済」と呼んでいるが、それはこの世界における基本通貨が「シェア」だからだ(2772)

デジタル社会主義のシェアの4段階


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Twitter内に潜むボットアカウントのネットワーク図。円形に見えるところは、ボットアカウントだけがつながっている「ソーシャルの影」。円の中心は実在するヒトのアカウントで、フォロワー数を多く見せかけている。
参照元URL:
http://gigazine.net/news/20150310-graph-8000-fake-twitter-account/

(ブログ作者註:デジタル社会主義に至る4段階のシェアには、「シェア」「協力」「コラボレーション」「集産主義」がある。本記事では「シェア」「協力」をまとめる

シェア
・社会主義の各段階を上がるにつれて、さらに協調を強化していくことが必要になる。オンラインの現状を調査してみると、こうした現象を示す証拠が豊富に見つかる(2798)

・シェアはデジタル社会主義では最も穏やかな形式だが、シェアすることはより高いレベルでの共同作業の基盤となるものだ。それはネットワークそのものの基本要素でもある(2807)

協力
・ひとつの大規模な目標に向かって一人ひとりが動くと、その結果は集団レベルで現れてくる(2808)

・何千もの情報収集サイトが、次の三つの利点からどれも同様のソーシャルな力を使っている。

・まずは、ソーシャル向けテクノロジーのおかげで、サイトのユーザーは自分たちで使う目的で一つひとつにタグを付けたり、ブックマークしたり、順位付けをしたりアーカイブしたりできる。

・二つ目に、他のユーザーも個々人が付けたタグやピン、ブックマークの恩恵を得る。似たような素材を見つけるのが簡単になるのだ。

・三つ目に、集合的な行動により、それが一つの全体となったときにだけ生まれる新たな価値を創り出せる(2819)

・こうした話(シェアすることの恩恵)が興味深いのは、「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」という社会主義者の約束を超えて、より貢献できて、必要以上のものがもたらされることになるからだ(2820〜2832)。

・伝統的な社会主義では、こうした力学を国家というレベルに集約していた。現在のデジタルによるシェアは、政府から切り離され、国家を超えた規模で機能している(2832)

次回の記事は、「SHARING」の「アイデア」、とくに「デジタル社会主義」(後編)をまとめます。

『〈インターネット〉の次に来るもの』「SHARING」インデックス ⑤ エピソード 後編

今回の記事は、『〈インターネット〉の次に来るもの』の第6章「SHARING」のインデックスのうちエピソード(後編)をまとめます。

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iPadで描かれたデビッド・ホックニーの作品"Yosemite I, October 16th 2011"

なお、引用文の末尾の番号はKIndle版の位置番号を意味し、強調部分はブログ作者によるものです。

エピソード


シェア・コンテンツ黄金時代


古代バビロニアの竪琴の伴奏に合わせて唄うStef Conner

・リコメンドや検索のテクノロジーのおかげで、ほとんど知られていない作品を見つけ出すのが非常に簡単になった。例えば6000年前年前のバビロニアの唄が聴きたくなっても、すぐに竪琴の伴奏付きで手に入る(3147〜3156)
Stef Conner, The Lyre Ensemble, StefConner. com

デジタル創作ツールがあまりに普及したため、本を書いたり、曲を作ったり、ゲームや動画を作ったりするのさえ、リソースや特別なスキルがほとんど要らなくなった。その証拠としては、最近ある広告代理店がイカしたテレビのコマーシャルをスマートフォンで撮影していた。伝説的な画家デビッド・ホックニーがアイパッドで描いた一連の作品は人気を博した(3156)
Amy Keyishian and Dawn Chmielewski, "Apple Unveils TV Commercials Featuring Video Shot with iPhone 6"
V. Ren. e," This New Ad for Bentley Was Shot on the iPhone 5 S and Edited on an iPad Air Right Inside the Car"
Claire Cain Miller, "iPad Is an Artist' s Canvas for David Hockney"

・インターネットでは最大級のヒットはさらに大きくなり続ける。韓国のポップダンスの映像「江南スタイル」は、24億回も視聴されその数はいまも伸びている(3156〜3170)。

クラウドファンディング


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Pebbleの最新モデル「Pebble2」。同社は創業時クラウドファンディングで2000万ドルの資金調達に成功した。

・それら(クラウドファンディングサービス)を全部合わせると、他の方法では資金調達のできなかったようなプロジェクトに、毎年340億ドルもの資金が集まっていることになる(3194)
"Global Crowdfunding Market to Reach $ 34. 4 B in 2015, Predicts Massolution' s 2015 CF Industry Report"

・2013年、私はキックスターターでファンに出資を募る約2万人の一人だった何人かの友人と、フルカラーのグラフィック小説──昔は大人向けコミックと言われていたもの──を作ったのだ。(3198)

・ときには、想像以上に受けが良く目標より100万ドルも多く集めたキックスターターのプロジェクトもある。中でも最高額は、将来のファンが2000万ドルを出資したデジタル時計(PebbleTime)だ(3199)
Pebble Time

・(Kickstarterの)ほぼ40%のプロジェクトが、目標額を達成している(3214)

・数十年前に国際的な金融機関は、富んだ国の政府に大金を融資するより貧者に少額の貸付をした方が返済率が高いことに気づいた。つまりボリビアの政府に融資するより同国の小作農に貸し付けた方が安全だということだ(3252)

・例えばネットフリックスは同社が使っている映画のレコメンド用アルゴリズムより10%優れたものを作ったプログラマーに、100万ドルの賞金を出すと発表した。その性能を向上させるとても優れたソリューションが4万件寄せられたが、基準をクリアした1チームだけが賞を取った。残りの人々はタダ働きだったわけだ(3275)
Preethi Dumpala, "Netflix Reveals Million-Dollar Contest Winner"
"Leaderboard", Netflix Prize

次回の記事は、「SHARING」の「アイデア」、とくに「デジタル社会主義(前編)」をまとめます。

『〈インターネット〉の次に来るもの』「SHARING」インデックス ④ エピソード 前編

今回の記事は、『〈インターネット〉の次に来るもの』の第6章「SHARING」のインデックスのうち、エピソード(前編)をまとめます。

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インターネット活動家ジョン・ペリー・バーロウ

なお、引用文の末尾の番号はKIndle版の位置番号を意味し、強調部分はブログ作者によるものです。

エピソード


デジタル社会主義の台頭


・ビル・ゲイツはかつて、フリーソフトウェアを擁護する人々のことを、資本家が口にできる限りの罵詈雑言でののしった。彼の主張によれば、ソフトウェアが無料でなくてはならないという人々は、「現代の新しい共産主義者のようなもの」で、アメリカンドリームを支える「市場を独占したい」という気持ちを挫こうと躍起になる邪悪な力だという(2720)
Michael Kanellos, "Gates Taking a Seat in Your Den"

・1990年代の終わりに、扇動家のアクティビストで年季の入ったヒッピー、ジョン・ペリー・バーロウが、こうした変化を皮肉を込めて「ドット共産主義」と呼ぶようになった。彼はその言葉を「自由なエージェントだけで構成される労働力」、つまり金銭を伴わない非集中型の贈与経済もしくは物々交換経済で、財産を所有することがなく、テクノロジーのアーキテクチャーが政治的な構造を決めるもの、と定義している(2772〜2782)
Theta Pavis, "The Rise of Dot-Communism"
Roshni Jayakar, "Interview: John Perry Barlow, Founder of the Electronic Frontier Foundation"

トップダウン型とボトムアップ型の相克


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「サイバースペース独立宣言」のトップ画面

・誰でもインターネットにつながっていれば、自分の作品を投稿して観客を集められる、つまりそれはゲートキーパーとしての出版社の終焉を意味していた。まさに革命だったのだ!そこでワイアードは「サイバースペース独立宣言」を出して、古いメディアの終焉を宣告した(3019〜3031)
John Perry Barlow, "Declaring Independence"

・(編集者を排した)新しいメディアは確かに急速に増殖していた。その中でもリンク・アグリゲーターのスラッシュドット[Slashdot]やディグ、のちにはレディットなどは、ユーザーに投票させて記事の掲載順を決めたり、ユーザーのコラボレーションによってフィルターを機能させたりすることで、「他の人が好んでいる」という基準で相互推奨システムを作った(3031)

Slashdot
(日本版サービス名はスラド)

・10年おきにいくつかのニュース会社がこれ(編集者を排したメディアホットワイヤード)と同じ実験を繰り返している。ガーディアンはニュースブログに読者のレポートを加えることを試みたが、2年後に中止された。韓国のオーマイニュースは中でも成功例で、読者の書いたニュースを載せる組織として何年か運用されていたが、2010年には編集者の手に戻された。老舗ビジネス誌ファストカンパニーは、2000人のブロガーの読者と契約して編集を介さないレポートを書かせていたが、1年後には実験を中止し、編集者が読者からアイデアをもらって原稿を依頼する方式になっている(3051〜3063)
Rachel McAthy, "Lessons from the Guardian' s Open Newslist Trial"
オーマイニュース
Ed Sussman, "Why Michael Wolff Is Wrong"

・オープンソースのデータベースであるMySQLを運営している組織は、まったく階層性がないわけではないが、巨大なオラクルのようなデータベース企業と比べたらはるかに集産型になっている(3104)

次回の記事は、「SHARING」のエピソード(後編)をまとめます。

『〈インターネット〉の次に来るもの』「SHARING」インデックス ③ 企業とビジネス 「クラウドファンディング・ビジネス」


今回の記事は、『〈インターネット〉の次に来るもの』の第6章「SHARING」のインデックスのうち「企業とビジネス」、とくに「クラウドファンディング・ビジネス」をまとめます。

20161217_6.png
Kickstarterのトップ画面

なお、引用文の末尾の番号はKIndle版の位置番号を意味し、強調部分はブログ作者によるものです。

企業とビジネス


コンテンツ・クラウドファンディング


・最も有名なクラウドファンディングはキックスターター[Kickstarter]だが、サービスが始まってから7年の間に、900万人のファンが8万8000のプロジェクトに出資した(3182)
Kickstarter

・キックスターターは優れた第三者預託サービスを運用していて、目標金額の全額(われわれの例では4万ドル)が集まらない限り、その資金がクリエーターの手に渡ることはない(3198)

・450ほどのファン出資型プラットフォームが、異なる創作分野や異なる出資目的に特化するなどそれぞれ工夫した仕組みを作っている...

・ミュージシャン用(プレッジミュージック[PledgeMusic]、セラバンド[SellaBand])、非営利団体用(ファンドリー[Fundly]、ファンドレイザー[FundRazr])、緊急医療用(ゴーファンドミー[GoFundMe]、ファンドレイザー[FundRazr])、緊急医療用(ゴーファンドミー[GoFundMe]、ラリー[Rally])、科学用(ペトリディッシュ[Petridish]、エクスペリメント[Experiment])などに最適化したクラウドファンディングが生まれている。いくつかのサイト(パトレオン[Patreon]、スバブル[Subbable])は、雑誌や映像チャンネルのような継続的なプロジェクトに持続的な支援ができるように設計されている。また、すでに出された作品にファンが出資するプラットフォームもある(フラッター[Flattr]、アングルー[Unglue])(3214)
PledgeMusic
SellaBand(2016/12/16 アクセス不可)
Fundly
FundRazr
GoFundMe
Rally
Petridish(2016/12/16 サイト不明)
Experiment
Patreon
Subbable(Patreonが買収)
Flattr
Unglue

クラウドファンディング・ビジネスの広がり


LocalMotorsのPR動画

・アメリカで立ち上がった株式クラウドファンディングのはしりであるシードインベスト[SeedInvest]とファンダーズクラブ[FundersClub]は、いまは金持ちのの「身元の保証されている投資家」にしか頼っていないが、2016年には一般人が株式のクラウドファンディングに投資できるよう、国内法が変わることが期待されている(3238〜3251)
Marianne Hudson, "Understanding Crowdfunding and Emerging Trends"
Steve Nicastro, "Regulation A + Lets Small Businesses Woo More Investors"

・キバが2005年に開始してから、200万人以上の人が7億2500万ドル以上の少額ローンを、こうした共有型プラットフォームを介して行なった。返済率は約99%だ(3265)
Kiva

・開発途上国でキバが上手くいくのなら、P2Pの貸付を先進国で使わない手はないのでは?そこでプロスパー[Prosper]とレンディング・クラブ[LendingClub]がそうした試みを始めた...
2015年の段階で、このP2P貸付の最大手2社は20万のローンを成立させ、その金額は100億ドルを超える(3266)
Simon Cunningham,"Default Rates at Lending Club & Prosper: When Loans Go Bad"
Davey Alba, "Banks Are Betting Big on a Startup That Bypasses Banks"

・GEは、同社のエンジニアが周りのイノベーションの速さについていけないことを危惧して、クワーキー[Quirky]というプラットフォームとパートナーシップを結んだ。新しくすばらしい製品になりそうなアイデアを、誰もがオンラインで投稿することができるサービスだ...
GEはこのクラウドソーシング方式で400の新製品を生み出した(3271)
Steve Lohr, "The Invention Mob, Brought to You by Quirky"

・99デザインズ[99designs]、トップコーダー[TopCoder]、スレッドレス[Threadless]といったサイトではあなたのためにコンテストを行なう(3286)
99designs
TopCoder
Threadless

・フェニックスにあるローカル・モーターズ[LocalMotors]は、少量生産のカスタマイズされた高性能(速い)車の設計と製造にオープンソース方式を採用する。15万人の車マニアのコミュニティーが、ラリー車にラリー車に必要な何千もの部品のプランを送ってきた...
ローカル・モーターズ社の最新プロダクトはすべて3Dプリンターで出力できる電気自動車で、これもそのコミュニティーで設計製造されたものだ(3286〜3299)
Local Motors
Gary Gastelu, "Local Motors 3-D-Printed Car Could Lead an American Manufacturing Revolution"
Paul A. Eisenstein, "Startup Plans to Begin Selling First 3-D-Printed Cars Next Year"

次回の記事は、「SHARING」の「エピソード」前編をまとめます。

『〈インターネット〉の次に来るもの』「SHARING」インデックス ② 企業とビジネス「シェアリング・ビジネス」

今回の記事は、『〈インターネット〉の次に来るもの』の第6章「SHARING」のインデックスのうち、「企業とビジネス」、とくに「シェアリング・ビジネス」をまとめます。

20161217_3.jpg
世界中のFacebookユーザーのつながりを可視化した画像。白線がつながりを表わす

なお、引用文の末尾の番号はKIndle版の位置番号を意味し、強調部分はブログ作者によるものです。

企業とビジネス


シェアビジネスの広がり


20161217_4.png
3Dオブジェクトのシェアサイト「3D Warehouse」のトップ画面

・コピーできるものなら何でも見つかるトーア[ToR]のような汎用のファイル共用サイトが立ち上がり、コラボレーションはますます盛んになった──すでに創造されたものを基に創作するのはずっと簡単だからだ(2735)
ToR

・ディグ[Digg]、スタンブルアポン[StumbleUpon]、レディット[Reddit]、ピンタレストやタンブラー[Tumblr]といった皆で協働してコメントを付けていくサイトでは、何億もの一般の人々が、プロや友人を通して見つけた写真、画像、ニュース記事、アイデアなどに、集団でランク付けし、評価し、シェアし、転送し、注釈を付け、キュレーションすることでストリームやコレクションに仕立てていく(2735)
Digg
StumbleUpon
Reddit
Tumblr

・レビューをシェアするイェルプ、位置情報をシェアするフォースクエア[Foursquare]、スクラップブックをシェアするピンタレストと、シェアサービスは無数に増えている(2807)
Yelp
Foursquare

・3Dウェアハウスと呼ばれる無料の情報サイトには、熟練の愛好者たちが作って惜しげなく交換しているあらゆる形(ブーツから橋まで)の3Dモデルが何百万と集まっている(2855)
3D Warehouse

・クレイグズリストを見てみよう。ただのクラシファイド広告〔個人などによる募集広告や告知の一覧〕サービスだろうか?はるかにそれを超えている(2943)
craigslist

・国の支援や制約を受けることなく市民同士を直接、グローバルに、毎日結び付けるこのほぼ無料の市場(クレイグズリスト)が社会的善行を効率よく実現し(最大時でも30人の従業員しかいなかった)、どんな政府や既存の企業にも一撃を加えることになる(2943)
Gary Wolf, "Why Craigslist Is Such a Mess"

・ペイシェンツライクミー[PatientsLikeMe]では、患者たちが自身の治療結果をシェアすることでお互いの治療の質を向上させており、共同行動が医師にもプライバシーの懸念にも優ることを証明している(2952)
PatientsLikeMe

シェアビジネスの巨人たち


20161217_5.png
Googleが提供している世界中のデータを可視化するWebツール「The Web Globe」。画像は検索言語の分布を可視化したもの。日本語は日本列島に集中している。
参照元URL:
https://www.chromeexperiments.com/globe

・シェアの力が発揮されるのは、何も非営利セクターばかりではない。この10年で商業的に最も成功した三つのクリエイティブな会社──グーグル、フェイスブック、ツイッターは、正しく評価されていなかったシェアを使って誰も考えつかなかった方法で価値を生み出している(2976)

・顧客がクリックする検索結果をシェアすることで生まれる価値を、グーグルは初めて引き出した。一般ユーザーがクリックするごとに、それがページの有用性を表す投票になる(2976)

・フェイスブックもまた、ほとんど誰も価値があると思っていなかったもの──友達のつながり──を共有するよう人々を促し、新しくつながった友人たちの輪の中でメモやゴシップをシェアしやすいようにした。(2976〜2988)

・フェイスブックの最も大切な資産となったのは、このシェアの仕組みを動かすためにわれわれが必要とする、オンライン上での一貫したアイデンティティーだ(2988)

・ツイッターも同じように、単に140文字の「アップデート」をシェアするという、ほとんど価値を認められていなかった力を開拓した(2988)

個人にとってはちょっとした楽しみでも、それがきちんと集合体としてまとめられ、整理されて再び個人にばらまかれ、同時にその解析情報を企業に売ることで、黄金の共有物に変わることをツイッターは証明したのだ(2988〜3000)

次回の記事は、「SHARING」の「企業とビジネス」、とくにクラウドファンディング・ビジネスをまとめます。


プロフィール

吉本幸記

Author:吉本幸記
元エンジニアのフリーライター。テクノロジー系の記事を執筆している。アートにも関心がある。美術検定3級取得

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