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『波よ聞いてくれ 1』感想 ※ネタバレなし

 今日のブログは、コミックレビューです。
レビューするコミックは沙村広明『波よ聞いてくれ 1』です。

波よ聞いてくれ 

沙村広明の『波よ聞いてくれ 1』は講談社アフタヌーンで連載中の作品の第1巻です。沙村の作品としては、コメディに分類されるものです。物語の舞台は北海道で、スープカレー屋でアルバイトをしている鼓田ミナレが、飲み屋で初対面の中年男に別れた彼氏について愚痴るところから始まります。翌日バイト先で流れているラジオから、なぜかミナレ本人の声で昨日話した愚痴が聞こえて来ました。クレームをつけるために、ミナレは単身ラジオ局に乗り込みます。それからミナレの生活は急展開するのでした。

『波よ聞いてくれ 1』は、今までの沙村作品にはなかったコメディに仕上がっています。この作品の特徴を知るために、沙村の過去のコメディ作品を振り返ります。

ハルシオンランチ 

沙村のコメディ作品で最も有名なのは『ハルシオンランチ』です。この作品では、部下の持ち逃げのせいで会社を倒産させた渋い中年男と、少女の姿をした宇宙人とのシュールな日常が描かれています。物語の設定からして、かなりシュールですが、コミックの余白の随所に詰め込まれたギャグもシュールです。このシュールなギャグはかなり評判がよく、ギャグをまとめたブログも存在します。

『波よ聞いてくれ 1』は『ハルシオンランチ』のようなシュールな設定ではありません。しかし、余白に書き込まれているギャグの破壊力はなかなかのものです。また、『波よ聞いてくれ 1』の主人公鼓田ミナレと、『ハルシオンランチ』に登場するリケジョであるメタコが、ガラケー持ちで空気を読まないパワフルな女性キャラという感じでどことなく似ています。

シズルキネマ_convert 

必ずしもコメディではありませんが、普通の日常を描いている作品には短編集『シスタージェネレーター』所収の『シズルキネマ』があります。この作品は、漫画家を目指す青年と女子中学生の同居生活を私小説的に描いた短編です。ただし、夢オチなみに呆気にとられるラストで終わります。そのラストのシュールさは、『ハルシオンランチ』に勝るとも劣らないです。ちなみに『シズルキネマ』は、作品そのものよりも作中で女子中学生が吐く(沙村の魂を代弁したような)中二病についてのセリフが有名です。

『波よ聞いてくれ 1』も『シズルキネマ』のように、(他の沙村作品に比べれば)普通の日常を描いています。しかも、『シズルキネマ』のようなシュールなどんでん返しも無さそうです。『波よ聞いてくれ』はこのまま私小説的コメディ作品として完成したら、沙村コメディ作品の新たなレパートリーになりそうです。

『波よ聞いてくれ 1』でも、沙村作品のスターシステムが使われています。重要なキャラに『無限の住人』に登場したあの薄幸の女性剣士が出ます。スターシステムを見つけるのは、沙村作品の隠れた楽しみ方になりそうです。
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Comment

面白かったけど全くシュールな内容ではなかった。徹頭徹尾ボケとツッコミ+スラプスティック
  • 2015-10-03│14:08 |
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吉本幸記

Author:吉本幸記
元エンジニアのフリーライター。テクノロジー系の記事を執筆している。アートにも関心がある。美術検定3級取得

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