FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『アップルは音楽ストリーミングの勝者になれない。なぜならまさにアップルだから』海外ブログレビュー

 今日の記事は、海外ブログニュースを紹介する海外ブログレビューです。
今日紹介する記事は、先日発表されたApple Musicについて批評したアメリカ版WIREDのタイトルが挑発的な記事です。

オリジナルの記事は、こちら

20150614-1_convert.png 

先日催されたWWDC2015において、Appleは新音楽サービスとしてApple Musicを発表しました。このサービスは簡単にまとめると、音楽ストリーミングサービスとデジタルラジオを使った音楽レコメンデーションサービスを統合した有料音楽サービスです。

音楽ストリーミングサービスのセールスポイントは、ユーザがiPhone内にダウンロードした楽曲やストリーミング視聴履歴を分析して、音楽の専門家が楽曲をすすめてくれるところです。ラジオを使った音楽レコメンデーションサービスでは、Beats1と呼ばれるラジオ局からAppleが選出したDJが楽曲を流します。従来のラジオ音楽番組との違いは、ユーザが楽曲の選曲についての設定をすることによって、流れる音楽を調整することができるインタラクティブ性があることです。

アメリカ版WIREDの記事では、音楽ストリーミングとラジオによる音楽レコメンデーションサービスの両方に関して、既にSpotifyやPandora Radioといった先行するサービスのシェアを大きく奪うことはないと評しています。というのも、Apple Musicは先行音楽サービスに対して、価格あるいはサービス内容に大きな差別化を打ち出していないからです。そう評したうえで、Apple Musicはむしろ、AndroidユーザをiPhoneユーザに転向させる効果があると予想しています。Apple MusicはAndroid端末にもリリースされますが、UXの質という点から見れば、Apple MusicはiPhoneで楽しむ方が良いに決まっています。Apple Musicは、音楽市場ではなくスマホ市場のシェアに変化を起こすサービスなのです。

20150614-3_convert.png 
20150614-4_convert.png 
上のグラフは、2014年のオリコンシングルランキングTOP50における主要アーティストグループのチャートイン頻度を割合を表わしたもの。AKB系とジャニーズ系で80%を占める。下のグラフは、2014年オリコンシングルランキングTOP50のCD売上げ枚数の合計に占める主要アーティストグループの割合を表わしたもの。AKB系とジャニーズ系で90%近くを占める。グラフはこちらのデータをもとに作成した。 

アメリカと音楽市場の事情が大きく異なる日本では、当然ながらApple Musicがリリースされる意味合いも違ってきます。日本におけるApple Musicに対する先行サービスは、You Tubeとニコニコ動画です。Apple MusicをYouTubeおよびニコニコ動画と差別化するポイントは、人間の音楽の専門家がユーザに楽曲をすすめるところです。Apple Musicの日本の音楽市場に対する影響は、楽曲レコメンデーションがどのような方針で行われるかによって、異なってくるでしょう。そうした影響について、少なくとも2つのシナリオが考えられます。

ひとつは、極端な寡占状態になっている日本の音楽業界のニーズがレコメンデーションに反映される場合です。この場合、Apple Musicは日本のメジャー音楽レーベルからシェアを奪うというよりは、コアなファンが新たにApple Music経由で楽曲を視聴するに留まるでしょう。Apple Musicを始めるきっかけも、楽曲レコメンデーション機能ではなく、Connectと呼ばれるアーティストとファンの交流機能を使うことが主要なものとなるでしょう。

20150614-5.png 

もうひとつのシナリオは、Apple Musicがあくまで音楽性に基づいて楽曲をレコメンデーションする場合です。この場合、日本の音楽市場に多様性を回復させる可能性があります。なぜならアーティストは、既存の日本の大手音楽レーベルを経由することなく、Apple Musicというしがらみが少ないプラットフォームを利用して直接ファンを獲得できるようになるかも知れないからです。

Apple Musicが日本の音楽市場の寡占状態を助長するか、あるいは解体するかは予断を許しません。ひとつ言えるのは、日本のコンテンツ産業において音楽業界が最もガラパゴス化が進んでいる市場であることです(例えば映画では、現在でもハリウッド映画がランキングの上位に表れます)。上に挙げたふたつのシナリオとは別に、そもそも閉鎖的な日本の音楽業界においてApple Musicがユーザを獲得できない可能性がもしかしたらいちばん可能性が高いかも知れません。Apple Musicをもってしても、このガラパゴス状況に風穴を空けるのは容易ではない、と言わざるを得ないのです。

【関連記事】
『アップル、グーグルが神になる日 ハードウェアはなぜゴミなのか?』感想
表面世界の行方 (13) AppleWatch開発秘話
表面世界の行方 (14) タンジブルアフォーダンスデザイン

スポンサーサイト

Comment

Post a comment

Secret


プロフィール

吉本幸記

Author:吉本幸記
元エンジニアのフリーライター。テクノロジー系の記事を執筆している。アートにも関心がある。美術検定3級取得

最新記事

カレンダー

11 | 2018/12 | 01
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。