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『〈インターネット〉の次に来るもの』「INTERACTING」インデックス ⑦ エピソード

今回の記事は、『〈インターネット〉次に来るもの』の第9章に当たる「INTERACTING」のうち、言及されているエピソードについてまとめます。

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2012年から制作されている大作マインクラフト作品「Kingdom of Galekin」。まだ未完成である

引用文の末尾の番号はKindle版の位置番号であり、強調箇所はブログ作者によるものです。

エピソード


ケヴィン・ケリーのVR体験


ジャロン・ラニアーが作ったVRヘッドセット作品。画面解像度が低いものも、ハプティック(触覚)コントローラーも実装されている。

・スタンフォード大学の研究室の薄暗い部屋にいると私の意識は囁き続けているのに、体は原始的な心に乗っ取られていた(4366)

・私が会いに来た人物はジャロン・ラニアーといい、肩まである金髪のドレッドヘアーだった。私はいったいどうなるものかと思っていたが、ラニアーは、彼がバーチャル・リアリティーと呼ぶところの新しい体験ができると請け負ってくれた(4371)
Jaron Lanier Homepage
Virtual Reality from 1990, Jaron Lanier, Eye phones

・この世界では、アバターを自分の望むどんな格好にもデザインできたからだ。われわれは初めてこの夢の世界に一緒に入り込んでいた。それは1989年のことだった(4383)

・ラニアーは「バーチャル・リアリティー」という言葉を広めた人物だが、こうした没入型のシミュレーションを1980年代後半に行なっていたのは彼だけではない(4383)

・当時私が編集していた雑誌(『ホール・アース・レビュー』)の協力を得て、1990年秋の時点で存在したVR装置をすべて一般向けにデモする初めての場を作った(4393)

・彼(SF作家のウィリアム・ギブスン)はそこ(1990年開催されたVR展示会)で、現在は有名になった言葉を初めてつぶやいたのだ──「未来はすでにここにある。まだ均等に分配されていないだけだ」(4393)

セカンドライフとマインクラフト


マインクラフト大作「Kingdom of Galekin」の動画

・無骨なインターフェースのせいで、プレゼンスの深みはまったく感じられなかった。セカンドライフの主たる魅力は、疑似3D環境を創作するための、完全に開かれた環境だった(4470)

・2009年にはスウェーデンのゲーム会社マインクラフト社が、似たような疑似3D世界を作れるサービスを始めたが、巨大なレゴを組み立てるような誰でも使えるお手軽なブロック方式を採用した。使い方を勉強する必要もなかった。そこで多くの人が、何か作ろうとマインクラフトに移っていった(4482)

・社会の熱がモバイルに移行すると、スマートフォンではセカンドライフの洗練された3D世界を処理できず、多くのユーザーが他に移ってしまった。マインクラフトにはさらに多くの人が流れていった─高解像度ではないためスマートフォンでも使えたからだ(4482)

・セカンドライフに忠実なユーザーはいまだに何百万人もいて、想像上の3D世界の中を常時約5万のアバターが歩き回っている。そのうちの半分はバーチャル・セックスをするためで、それはリアルさを求めるというより付き合いに重点が置かれたものだ(4479-4492)
Luppicini Rocci, "Moral, Ethical, and Social Dilemmas in the Age of Technology: Theories and Practice"
Mei Douthitt, "Why Did Second Life Fail? (Mei' s Answer)"
Frank Rose, "How Madison Avenue Is Wasting Millions on a Deserted Second Life"

モノを活性化するインタラクション



VR描画アプリ「Tilt Brush」のオーディオ機能についてのデモ動画。同VRアプリはバーチャル空間に立体的な絵が描けるうえに、音楽に合わせて描線が動く。

・MITメディアラボを率いたニコラス・ネグロポンテは、かつて1990年代にふざけて、男性用トイレの小便器は自分のコンピューターよりスマートで、誰かが使えばそこにいることを認識して去ると水を流すが、彼のコンピューターは一日中その前に座っていても誰が使っているのかを認識していないと言っていた(4505-4513)
Nicholas Negroponte, "Sensor Deprived"

・イーノは私に「コンピューターを使ったときに困るのは、そこには十分アフリカがないことだ」と言った。彼が言っているのは、コンピューターとボタンだけでインタラクションすることは、指先だけでダンスをしているようなもので、アフリカにいるときのように全身で踊るのとは違うということだ(4550)
Kevin Kelly, "Gossip Is Philosophy"

・よちよち歩きの娘がそれに近付いて、指を置くと拡げてその写真を大きくしようとしているのに彼は気づいた。彼女はその動作を何回か繰り返して上手くいかないと、困ったような顔をして、「パパ、こわれてるよ」と言った。そう、インタラクティブでないものは故障しているのだ(4587-4599)

・私もいくつか軽量のブレイン・マシン・インターフェース(BMI)を試してみたが、パソコンのことをただ考えただけで操作できた(4646)

・彼らはドローンの前面に小さな目を付けてVR用ゴーグルでその映像を覗くという、いわゆる一人称視点(FPV)を実装していた。ドローンそのものになっていたのだ(4670)

「INTERACTING」では、記事・書籍・データの引用に関するインデックスは割愛します。とくに注目すべき記述がなかったからです。なので次回の記事は、「SCREENING」のインデックスを掲載します。

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吉本幸記

Author:吉本幸記
元エンジニアのフリーライター。テクノロジー系の記事を執筆している。アートにも関心がある。美術検定3級取得

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